歴史・建設の経過

ブルーノ・タウトの日本における唯一の建築物である旧日向別邸「熱海の家」
平成15年 DOCOMOMO 100選に選定される。
平成17年 熱海市指定有形文化財に指定される。
平成18年 国の重要文化財に指定される



熱海市が取得に至る経緯

旧日向別邸・地下室離れは、ドイツの建築家「ブノトノ・タウト」が日本滞在中に室内設計、サポートした建築家・吉田哲鉄郎、棟梁・佐々木嘉平ら多くの協カ者を得て1936年10月に完成しました。旧日向別邸は、諸先生方の著書によって紹介きれており、一般公開が待ち望まれておりました。

DOCOMOMO100選
2003年9月、18日社団法人日本建築学会及びDOCOMOMO Japanによって歴史的価値が報告されました。選定理由は次の通りです。
1.装飾を用いるのではなく線や面の構成による美学が構成されている。
2.技術の成果がデザインに反映されている。
3.社会改革的な思想が見られる。
4.環境構成(広場や建築群の構成)という観点でデザインされている。

篤志家取得 熱海市へ寄贈
平成13年(2001)に昭和27年からの所有者である日本カ一バイド工業より売却の話が出されました。この話を知られた東京在住の女性篤志家は、購入資金と若干の修繕費の寄付を熱海市に申し入れました。かなりの紆余曲折をへた後、篤志家の申し入れを受け入れた熱海市は、平成16年(2004)11月15日売買契約を締結し、熱毎市の所有するところとなりました。一般公開に先立ち、旧日向別邸上屋東西にタイロッド、コンクリートアンカーによる補強工事が実施され、平成17年(2005)9月23日に一般公開が実現致しました。

篤志家の意思
旧日向別邸保存会は、篤志家の「奇跡的にも建築当時の姿で保存されてきた旧日向別邸と邸内の多くの工芸品を熱海市と市民の皆様が中心となって保存してほしい。」

重要文化財認定書
平成18年7月 国の重要文化財となる。 重要文化財指定書の解説

保存会
歴史的文化価値、ブルーノ・タウトの関係性の継承、具現化などの 発展的な継承を目的とし、篤志家の願い、世界の意向を受け止め、後世に継承すべく、市民の皆様の「自主の力」と共にこの文化資産を大切に受け継ぐ中心的な支援団体として活動を進めていこうとするものです。




上屋ラウンジ・床の間   DOCOMOMO、上棟、重要文化財指定書

 

経過  ---  土地取得から現在

昭和8年   相模湾に向かう急傾斜地の温泉付き分譲地を購入。 渡辺仁設計。(日向の家)
昭和9年3月〜7月  清水組より施工(一期) 
昭和9年8月  地下室部分と屋上庭園着工 〜昭和10年2月完成(二期)
昭和10年4月 ブルーノ・タウト旧日向別邸「熱海の家」内装設計受託
      8月 設計を完了 土留めを兼ねた地下室を利用し、吉田鉄郎の支援を受けつつ
昭和10年6月 大工棟梁 佐々木嘉平により着手(三期)
昭和11年9月 竣工(タウトの部屋)
昭和11年9月 日向正三所有
昭和18年  日向家別邸を売却 大野栄治 所有
昭和19年  安原政雄 所有
昭和27年  日本カーバイド工業株式会社 所有
平成16年  篤志家取得 
平成16年11月 東京在住の篤志家が旧日向別邸購入資金の約1億円(工事資金含む)を
          熱海市に寄付 現在に至る 

選定・指定・その他
平成15年  DOCOMOMO 100選(平成21年現在DOKOMOMO135選)に選定される。
(NO.036日向別邸 / ブルーノ・タウト+吉田鉄郎 1936年)
平成17年8月 熱海市指定有形文化財(建造物)に指定される。
平成18年7月 国の重要文化財の指定を受ける。
平成20年7月8日 ブルーノ・タウト設計ジードルンク馬蹄形他3施設が世界遺産に登録。

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