ブルーノ・タウトの建築理念 |
「関係性」の美学 --- 個と全体の調和 |
日常生活、社会生活は芸術体験に満ちた精神生活の為にこそ存在する。として「建築芸術論」を展開したタウトは、理想的な人間環境を次の3つの本質的機能から生み出されるとした。
1.日常生活日 暮らすための住宅には・庭や近隣の環境が備わっている事。
2.社会生活 教育や余暇を含む社会生活を営むための、文化的公共施設が備わっている事。
3.精神生活 建築物はあらゆる目的から自由である事。社会的にも宗教的にも全てから自由であり、絵画や彫刻と同様に純粋な芸術作品である。
これらの3要素は各々明確な特質を持ち、互いが強く結びついているけれど、はっきりと区別できる独立した個性であるとした。
建築は、装飾を排して簡素なものとし、豊かな色彩をもって住む者に喜びをもたらす。公共建築は、シンメトリカルな形などを採用して威厳に満ちた形も必要とする。そして芸術作品であり建築は、形象(クリスタルあるいは星の形)、色彩(太陽光線)、物質(ガラスあるいは水晶)を通じ、人類を宇宙にまで及ぶすべての存在に関連づけられ、タウト建築の理念となっている。
「自然と芸術」、「環境と人間環境」の関連性が、タウトの作品に貫して見出すことができる。
|